サクセス薬用育毛トニックとは
サクセス薬用育毛トニックは、花王株式会社が製造販売している育毛トニックです。
花王株式会社は東証プライムに上場しており日本を代表する日用品メーカーとして有名な会社ですので知っておられる方は多いと思われます。
今回紹介する育毛トニックは、ヘアサイクルを改善し、抜けにくい強い髪の毛に育てるという事を目的に開発されており主に、抜け毛がきになりはじめた方にお勧めの育毛剤とされています。
花王が開発した独自の成分t-フラバノン(トランス-3,4’-ジメチル-3-ヒドロキシフラバノン)を配合しておりt-フラバノンは日本皮膚科学会が出している男性及び女性型脱毛症診療ガイドライン2017でも行ってもよいとされており今現在では、単体ではAGA(男性型脱毛症)には、推奨されてはいませんがミノキシジル外用薬と併用する事で相乗効果も期待できるかもしれないと期待されている成分です。(今のところ出ている論文などでは効果が有ると断定するには根拠が弱いとされている為)
価格も比較的リーズナブルなので長期間続けていくのにもあまり負担にならないので育毛トニックを初めて使う方などにもおすすめできる製品です。
種類は、無香料、微香料(ハーバルシトラスの香り)、フルーティーシトラスの香り、フレッシュシトラスの香りの4種類です。
会社URL
https://www.kao.com/jp/
有効成分と副作用について
サクセス薬用育毛トニックの主成分であるt-フラバノンは、日本皮膚科学会が出している男性及び女性型脱毛症診療ガイドライン2017で、男性及び女性の推奨度C1(行ってもよい)とされております。
有効成分
t-フラバノン(トランス-3,4’-ジメチル-3-ヒドロキシフラバノン)
t-フラバノンは、西洋オトギソウのエキスの中のアスチルビンと言う成分が毛母細胞を増殖促進する作用を持っているという事がわかり研究の結果生まれたのがt-フラバノン(トランス-3,4’-ジメチル-3-ヒドロキシフラバノン)です。
t-フラバノンの3つの効果について
1.TGF-βの活性化を抑えて退行期への移行を抑え、成長期を保つ効果
t-フラバノンは、TGF-βの活性を抑制することが確認されており、ヘアサイクルが退行期・休止期に誘導されることを抑え、成長期を維持できるように働くと考えられます。
(TGF-βは毛乳頭細胞で生成されるたんぱく質で、毛母細胞に作用してその分裂・増殖を抑制し、髪の成長を抑えてしまいます。)
試験では毛根の細胞と同様の性質を持つ表皮細胞と毛乳頭細胞を共存培養し、培養系にt-フラバノンを添加し2日後に培養液中に放出された活性型のTGF-β量を解析したところ、t-フラバノン添加により、活性型のTGF-βの産生が抑制されたとされています。
2.毛母細胞増殖促進効果:毛母細胞を活性化し、分裂・増殖を促す効果
毛母細胞+毛乳頭を用意し、一方にはt-フラバノンを添加し、もう一方には無添加で、72時間後の毛母細胞の増殖を比較した所t-フラバノン添加により毛母細胞の増殖が促進されたとされています。
そして、皮膚から取り出した生きたままの毛根に、一方にはt-フラバノンを添加、もう一方には無添加で、72時間後の毛の成長を比較した所、無添加よりもt-フラバノンを添加された方が毛の成長が促進された。
3.接着分子を増やし、抜け毛を防ぐ効果
男性型脱毛の男性に1日2回30週間サンプル塗布し、抜去ピーク値(髪を抜くときに必要な力の最大値)をt-フラバノン配合品と未配合品使用者と比較した所、t-フラバノン配合品使用者の方が抜くときに必要な力が大きかった。
そして、男性型脱毛症の男性を対象にt-フラバノンを1日2回30週連用試験した所、成長期の髪の本数が増加し髪が太くなり、洗髪時の抜け毛の数が減少と言う結果が出た。(※抜け毛数試験は、6か月連用)
そしてさらに女性の薄毛にも効果が有るという事がわかっており、6カ月連用試験でt-フラバノンを使用した所、髪が太くなり、髪の弾性が上がり、髪の本数が増えたとされています。
そしてその結果、髪の分け目の目立ちが緩和される例も見られたとされています。
参考資料
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bpb/31/3/31_3_449/_article/-char/ja/
ニコチン酸アミド
ビタミンb群の一種で、ビタミンb3やナイアシンアミドとも呼ばれている成分です。
血流を良くする作用が有り毛母細胞への栄養素の供給力を高める働きが有ります。
参考資料
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00055738.pdf
ピロクトンオラミン
殺菌作用、抗酸化作用、頭皮の皮脂の過剰分泌を抑える働きがあり頭皮環境を整え、育毛しやすい頭皮環境を作る働きが有ります。
ピロクトンオラミンは、育毛剤以外にはシャンプーや化粧品(防腐剤として)などにも使われていることの多い成分です。
そして、薄毛の女性の毛量を増加させ、髪と頭皮への酸化ストレスを大幅に減少させたという試験データ出ています。
参考資料
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/ics.12737
副作用について
サクセス薬用育毛トニックは、医薬部外品である育毛剤である為、特に気になる副作用はないとされています。
効果について
t-フラバノンは男性の毛髪径を増大させ、特に新生毛の毛径平均値を約20%増大させた
t-フラバノンは男性の毛髪径を増大させ、特に新生毛の毛径平均値を約20%増大させたという試験データが出ています。
概要は、t-フラバノン配合育毛剤を用いた,14 名の男性被験者を対象とした観察期間 6 カ月の非ランダム化比較試験において,毛髪径が増大し,特に新生毛の毛径平均値が試験開始時と比較して約20%増大しており.また,外用4カ月後と6カ月後に抜け毛の数が20%以下と有意に減少し,プラセボでは変化がなかったとされています。
参考資料
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
t-フラバノン配合育毛剤は市販育毛剤と比べて18.3%プラセボと比べて35.2%多くの改善が見られた
t-フラバノン配合育毛剤と市販育毛剤そしてプラセボ(偽薬)を用いた試験では、197名の男性の被験者を対象にした観察期間30週間(約7ヶ月2週間)で試験を行ったところ、軽度以上の改善率は、
- t-フラバノン配合育毛剤群 53.1%
- 市販育毛剤群 34.8%
- プラセボ群 17.9%
と言う結果となり、t-フラバノン配合育毛剤は市販育毛剤と比べて18.3%プラセボと比べて35.2%多くの改善が見られました。
そして、毛髪径 40 μm 以上の硬毛数はt-フラバノン配合育毛剤群,市販育毛剤群では増加するものの,プラセボ群では減少したとされています。
参考資料
上に同じ
t-フラバノン0.3%を30週間投与した試験では写真及び顕微鏡で、薄毛の改善が見られた。
t-フラバノン0.3%を30週間(約7ヶ月2週間)投与した試験では写真及び顕微鏡で、薄毛の改善が見られたという試験結果が出ています。
上の画像(A)のように始める前よりも30週間治療後の方が髪の毛が濃くなっている事がわかります。
(B)の画像は、顕微鏡での画像です。
画像のように髪の毛1本の太さが始める前と比べて太くなっているという事がわかります。
参考資料
https://link.springer.com/article/10.1007/s13555-016-0101-1
サクセス薬用との違いについて
育毛トニックと育毛トニックボリュームケアは、有効成分が同量入っており違いがわからないという方も多いと思われます。
花王のQ&Aによりますとボリュームケアには、さらに毛髪プロテクト成分が配合されており、髪を1本1本コートし、使うたび弾力のある手触りを感じていただけますとの事でした。
ちなみにですが髪プロテクト成分は、N-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体の事で、育毛トニックにも30%配合しています。
参考資料
https://www.kao.com/jp/qa/detail/13824/
まとめ
今回は、サクセス薬用育毛トニックを紹介していきました。
価格も比較的安価で、ドラッグストアなどでも手に入りやすいので、育毛剤を始めようと思っている方にお勧めできる商品です。
育毛だけではなくAGA治療でも、t-フラバノンは日本皮膚科学会が出している診療ガイドラインでは、行ってもよいと評価を受けていますので、ミノキシジルと併用して使用する事で相乗効果を望むこともできますので気になりましたらご覧ください。
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