プロペシアとは!?
プロペシアは、1997年にアメリカのMerck(メルク社)が開発した物で、現在は、世界60カ国以上の国で販売されています。
日本でも2005年に厚生労働省から承認を受けており、日本国内で初めて販売されたフィナステリドを含んだ男性型脱毛症の治療薬です。
種類も複数あり、オーストラリア版やドイツ版、アメリカ版及びボトルタイプなどと複数種類は有りますが成分はどれも同じです。
その為、値段を見て選ばれるという方が多いようです。
価格としては、オーストラリア版が一番安く、次にアメリカ版となっています。
今現在は、オーストラリア版は取り扱い終了となっておりどこの個人輸入業者でも購入できなくなっています。
配合成分と副作用について
プロペシアは、日本皮膚科学会が出している男性及び女性型脱毛症診療ガイドライン2017で男性推奨度A(行うよう強く勧める)女性推奨度D(行うべきではない)と評価されている主に、男性向けの成分であるフィナステリドを含んだ製品です。
フィナステリド
フィナステリドは、元々両性前立腺肥大と言う病気の治療薬として使われているプロスカーと言う製品に含まれている成分です。
プロスカーを使用していた患者に発毛効果の副作用が現れた為、AGA治療薬として開発が進められる事となりました。
そしてその後、1997年にAGAの治療薬として、FDA(米国食品医薬局)から許可が下り、AGA治療薬として世界中で使用されるようになりました。
AGAは、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンと還元酵素である5αリダクターゼが結びつく事で生成されるDHT(ジヒドロテストステロン)が主な原因とされています。
通常の男性ホルモンは体毛を濃くするのに対して、DHTは発毛を妨げ、毛髪の成長を抑制する働きが有ります。
DHTが大量に生成される事でヘアサイクルの成長期が短くなり、髪の毛が太く成長する前に抜けてしまったり、十分に育たずに細く短い毛が増える事で全体的に薄毛が目立ってしまいます。
フィナステリドは、この還元酵素である5αリダクターゼの作用を阻害する事で、DHTの生成を抑制する効果が有る為、乱れてしまったヘアサイクルや頭皮環境を正常な状態に戻し、抜け毛の進行を防止してくれる効果が有ります。
フィナステリドは主に、5αリダクターゼⅡ型に効果が有り、Ⅱ型には前頭部や頭頂部に多く存在する事から、AGA治療にはフィナステリドがよく使われる事が多いです。
副作用について
プロペシアの副作用について紹介していきたいと思います。
主に副作用に関係してくる成分は、医薬成分であるフィナステリドがあげられますので紹介していきたいと思います。
フィナステリドの副作用
- 性機能障害(勃起機能不全など)
- リビドー減退(性欲減退)
- 肝機能障害
- 抗うつ
などが有ります。
副作用の発症率
リビドー減退 1.1%
勃起機能不全 0.7%
含有量別発症率
フィナステリド1mg 5.0%
フィナステリド0.2mg 1.5%
参考資料
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/127/6/127_6_495/_pdf
フィナステリドを使用する際の注意点
使用できる人できない人
使用できる人:成人男性
使用できない人:未成年、女性、妊娠中の方
妊娠中の方
デュタステリドと同様で、妊婦に投与するとDHTの低下により男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼす恐れが有り、妊婦または妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性への投与は禁物であるとされています。
女性の方
フィナステリド(1mg/日)を用いた、137名の女性被験者を対象にした観察期間1年のランダム化比較試験において、1㎠あたりの硬毛数はフィナステリド投与群で-8.7、プラセボ群で-6.6といずれも減少し、フィナステリド投与群とプラセボ群の間で有意差は無かったとされており女性にはフィナステリドは効果が無い為、使用するべきではないとされています。
未成年の方(20歳未満)
海外の臨床試験では、18歳以上の男性に対して行われて安全が確認されているが、国内の臨床試験では20歳以上の男性を対象に行われたので、日本では、20歳未満に対する安全性は確立していないとされており、未成年(20歳未満)へのフィナステリド内服薬の投与は行うべきではないとされています。
フィナステリドの効果が実感できるまでには時間がかかる
フィナステリドは服用してから効果が実感できるまでに時間がかかり日本皮膚科学会が出している男性型及び女性型脱毛症診療ガイドライン2017には、少なくとも6ヶ月は内服を継続し効果を確認するべきであるとされています。
フィナステリドは服用をやめると効果がなくなる
フィナステリドは服用をやめてしまうと効果がなくなるという事が男性及び女性型脱毛症診療ガイドライン2017でも記載されています。
内容としては、内服を中止すると効果は消失するとされています。
参考資料
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
内服薬を複数服用されている方は肝臓に負担がかかる可能性が有る
これはフィナステリド内服薬にかかわれず全ての内服薬の服用者に言える事なのですが、内服薬は、肝臓を通って代謝される為、一度に飲む量が増えれば増えるほど酵素が必要となり代謝が追い付かなくなり肝臓に負担がかかる事になります。
私の場合は、アトピー性皮膚炎持ちで肌が弱く以前にかゆみ止めの内服薬と肝臓に少し負担のかかる内服薬を処方されてフィナステリドと併用して服用していた所、肝機能の数値が悪くなってしまいました。
その為、フィナステリド以外にも複数内服薬を服用されている方は、注意が必要です。
内服薬ほどの効果は有りませんが、フィナステリド外用薬も有りますので、肝臓が弱い方や数値が悪い方にはこちらもお勧めです。
グレープフルーツやグレープフルーツジュースは控えるようにする
フィナステリドは、グレープフルーツやグレープフルーツジュースと飲み合わせがよくない為、食べるまたは飲むのを控えた方がいいとされています。
理由としては、グレープフルーツに含まれているフラノクマリンと言う成分がフィナステリドの代謝を阻害してしまう為、フィナステリドが体内であまり代謝されず、必要以上に体内に残り副作用が強く出てしまう可能性が有る為とされています。
参考資料
https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/130757-1-24.pdf
効果について
フィナステリド内服薬は男性型脱毛症の日本人男性の薄毛に効果が有る
フィナステリド内服薬は、AGA(男性型脱毛症)の日本人男性の薄毛に効果が有ったという事がわかっています。
試験内容は、414名は日本人男性を対象にした観察期間48週間(約1年)のランダム化比較試験を行いました。
試験結果は、
1mg/日では、58%が軽度以上の改善
0.2mg/日では、54%が軽度以上の改善
と言う結果になりました。
そして、引き続き1mgの投与を2年及び3年間、内服を継続した結果、軽度改善以上の効果が各68%及び78%の症例で得られ、その率は増加傾向を示したとされておりフィナステリド内服薬は、AGAに効果が有るという事がわかっています。
参考資料
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
フィナステリドはケトコナゾールシャンプーと併用する事によりDHTをより完全に抑制できる可能性が有るとされています
フィナステリドはケトコナゾールシャンプー2%と併用する事によりDHT(ジヒドロテストステロン)をより完全に抑制できるとされています。
ケトコナゾールは、日本皮膚科学会が出している男性及び女性型脱毛症ガイドライン2017で推奨度C1(外用を行ってもよい)とされています。
概要としては、フィナステリドは5αリダクターゼ阻害剤はDHTの生成をブロックし、現在のAGAの治療に使用されています。
抑制は完全はありませんが、全身的及び頭皮内のDHTの減少が達成されます。
ケトコナゾールは、AGAの治療に有効である事が臨床的に示されています。
フィナステリド治療薬の補助としてケトコナゾールシャンプー2%を使用すると、DHTをより完全に抑制し、AGAをより適切に治療できる可能性が有ると提案されています。
とされています。
参考資料
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0306987703002640
フィナステリド1mgは前頭部脱毛症にも効果が有る
フィナステリド1mgは軽症から中等症の前頭部の脱毛に効果が有るという事が臨床試験からわかっています。
概要としては、前頭部に軽症から中等症の脱毛を有する18歳から40歳のAGA男性、高島分類(Ⅱ、Ⅱvertex、Ⅱa、Ⅲ及び、Ⅲvertex)(上の画像の赤い枠で囲まれている部分)を対象にして、12ヶ月のプラセボ対象二重盲検比較試験を実施し、面積1㎠の円内の毛髪数を評価し測定したところ、フィナステリド1mg群とプラセボ(偽薬)群との差は11.6±2.0とフィナステリド1mgの方が有意に多かったと言う結果になり、フィナステリド1mgは、前頭部脱毛症にも効果が有るという事がわかっています。
参考資料
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/127/6/127_6_495/_pdf
フィナステリドを5年間使用し続けた試験ではプラセボと比べて髪の毛の増加が見られた
フィナステリドを長期的に使い続ける試験において、プラセボ(偽薬)と比べて髪の毛の増加が見られたとされています。
概要は、頭頂部に軽度から中等度の脱毛を有する18歳~41歳のAGAの男性患者、高島分類(Ⅱvertex、Ⅲvertex、Ⅳ及びⅤ)(上の画像で赤い枠に囲まれている部分)を対象にして、5年間のプラセボ対象二重盲検比較試験を実施し、直径1インチ円内(面積5.1㎠)毛髪数を評価した結果、フィナステリド1mg投与群では投与前と比較して毛髪数の増加または維持が見られ、投与5年後の毛髪数も投与前と比べて増加されたとされており、その一方で、プラセボ群は毛髪数が投与前に比べて減少し、フィナステリド1mgとプラセボでは、投与12ヶ月で、107本、5年後には277本と経時的にしたとされています。
グラフを見る限りでは、フィナステリド群は最初の1年目をピークに2年目からは維持を続け3年、4年、5年と少しずつではありますが効果が薄れていくようです。
プラセボは、当然の事ながら効果のない偽薬なので年々毛髪の減少が起こっています。
そして、長期投与による副作用の発言率の増加は認められず、フィナステリド1mg/日の5年間にわたる長期投与の容認性はおおむね良好で、頭髪の持続的な改善効果を示し、プラセボ投与群に見られた脱毛の進行が遅延したとされています。
参考資料
上の資料に同じ
どれくらいの薄毛の方にお勧めか?
AGA(男性型脱毛症)の方全てにお勧めです。
AGAは、巷でよく言われている生活習慣病や皮脂などの毛穴の詰まりなどの事により起こるのではなく、ホルモンの病気です。
AGAとは、AndroGenetic Alopecia(アンドロジェネティック・アロペシア)の略で意味は、AndroGenetic(男性ホルモンによる)Alopecia(脱毛症)と言う意味です。
その為、薬を使いヘアサイクルを正常に戻しつつミノキシジル外用薬で発毛を促していくという方法が今現在では有効な方法とされています。
M字はげには効果が有るのか?
フィナロイドは、Ⅱ型の5αリダクターゼに効果が有り、Ⅱ型は、前頭部と頭頂部に効果が有る為、M字はげに効果が有ると言えます。
M字部分は、元々毛細血管が少ない部分でもあり、髪の毛に栄養が行きわたりにくい部位で薄毛になりやすく治療も難しい部位とされています。
その為、効果を実感しやすくするには、ミノキシジル外服薬と併用して使用する事をお勧めします。
フィナステリドは、M字部分である前頭部にも効果が有ったという試験資料が、効果の欄に乗せてありますので気になりましたらご覧ください。
まとめ
今回は、プロペシアを紹介していきました。
ジェネリックではない本家の製品の為ジェネリック品と比べると価格は高くなってしまいますが、本家ゆえの安心感は他のジェネリック品には無いものが有りジェネリック品に抵抗のある方にはいいのではないのかと思います。
コメント