二ナゾールシャンプーとは!?
二ナゾールシャンプーは、タイにあるT.O.Chemicals社が製造している真菌の働きを抑える成分であるケトコナゾールを含んだ製品です。
似た名前で、ニゾラールシャンプーと言う製品もあるのですが、二ナゾールシャンプーはニゾラールシャンプーのジェネリック品として出ている製品になります。
名前がとてもややこしくパッケージも似ている為、間違いやすいのですが含まれている成分は変わらない為、効果はどちらも変わりません。
そして、二ナゾールシャンプーですが、通販サイトによっては、ニナゾルシャンプーと表記されていることもある為、二ナゾールシャンプーで検索すると検索でヒットしない場合が有りますのでご注意ください。
配合成分と副作用について
二ナゾールシャンプーは、日本皮膚科学会が出している男性及び女性型脱毛症診療ガイドライン2017で男性及び女性の推奨度C1(行ってもよい)と評価されている、主にケトコナゾールを含んでいる製品です。
ケトコナゾール
ケトコナゾールは真菌の働きを抑える効果のある成分で、ふけや痒みと言った頭皮トラブルを減らす事ができます。(真菌とは病原体になりうるカビの総称で、カビが増える事で頭皮トラブルの原因になります。)
皮膚科などでは、湿疹や脂漏性皮膚炎の治療薬として処方されたりしています。
ケトコナゾールの真菌作用は、水虫やカンジタ症の治療薬にも使います。
脂漏性皮膚われて炎は頭部に発症すると、大量のふけが出たり、頭皮や生え際が炎症で赤くなり自然治癒では治りにくく、そのままにしていると症状が長引くことが多いです。
脂漏性皮膚炎の特徴としては、頭皮、髪の毛の生え際、耳の後ろ、耳の中、眉、鼻の周り、胸、腋の下、背中の上部などの皮脂分泌が盛んな部位や、こすれて刺激が加わりやすい部位に現れやすいとされています。
鱗屑と言われる、皮がはげてカサカサして赤みが出るのが特徴で、ふけのようにぼろぼろと落ちる事も有ります。
副作用について
ニナゾールシャンプーの副作用について紹介していきたいと思います。
主に副作用として関係してくる成分は、医薬成分であるケトコナゾールがあげられます。
ケトコナゾールの副作用
ケトコナゾールを含んでいるニナゾールシャンプーの副作用は、あまり大きくないようで、頭皮のヒリつきやかぶれ、頭皮があかくなるといった症状が有るようです。
同じケトコナゾールを2%配合したケトコナゾールクリームの添付文書には、本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
と記載されており副作用は、気にしていないようでした。
発症頻度は不明ですが、ケトコナゾールクリームに記載されている副作用を載せておきます。
- 蕁麻疹
- 接触皮膚炎
- かゆみ
- 発赤
- 刺激感
- 紅斑
- びらん
- 皮膚剥脱
- 水疱
- 亀裂
- 疼痛
- 皮膚灼熱感
- 発疹
- 皮膚のべとつき感
- 適用部位反応(出血、不快感、炎症、錯感覚、乾燥、浮腫)
- 過敏症
などがあげられています。
参考資料
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00059055.pdf
効果について
フィナステリドとケトコナゾールシャンプーを併用する事によってDHTをより完全に抑制できる可能性が有るとされている
フィナステリドとケトコナゾールシャンプー2%を併用する事によりDHT(ジヒドロテストステロン)をより完全に抑制できる可能性が有るとされています。
概要としては、フィナステリドは、5αリダクターゼ阻害剤は、DHTの生成をブロックし、現在のAGAの治療に使用されています。
抑制は完全ではありませんが、全身的及び頭皮内のDHTの減少が達成されます。
ケトコナゾールは、AGAの治療に有効である事が臨床的に示されています。
フィナステリド治療薬の補助としてケトコナゾールシャンプー2%を使用すると、DHTをより完全に抑制し、AGAをより完全に抑制し、AGAをより適切に治療できる可能性が有ると提案されています。
とされています。
参考資料
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0306987703002640
ケトコナゾールシャンプーの長期使用の試験ではAGAに有意な作用が有る可能性が有るとされた
この試験により、ケトコナゾール2%を含んだシャンプーには密度と成長期毛胞のサイズと割合がミノキシジル2%とほぼ同様に改善されましたと言う報告が有ります。
参考資料
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9669136/
ケトコナゾールローション2%を使用した症例集積研究では、使用前に比べて使用後には脱毛個所の改善が見られた
ケトコナゾールローション2%を使用した、17名の男性被験者を対象にした観察期間6ヶ月間の症例集積研究において、皮膚科医の改善度評価で、投与前の脱毛の過程は、高度10例、中等度7例、治療6ヶ月後に高度1例、中等度12例、軽度4例に改善されたとされています。
参考資料
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
オスのマウスを使った実験ではケトコナゾールは発毛に有用で有った
オスのマウスの背中の毛をそってケトコナゾールグループとビヒクル溶液グループに分かれて1日1回3週間塗布した所、ケトコナゾールを塗布したグループの方が肉眼的に見て有意な変化が見られたとの事でした。
参考資料
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15863844/
使い方について
ニナゾールシャンプーの使い方はとても簡単で、髪の毛と頭皮をマッサージするようにも見込んで洗った後に、3分~5分待ってから洗い流して完了です。
治療の場合の使用目安:週2回のペースで2~4週間
予防の場合の使用目安:1~2週間に1回
まとめ
今回は、二ナゾールシャンプーについて紹介していきました。
主な用途は、湿疹や脂漏性皮膚炎の方向けとなっていますが、AGAにも効果が有る事も試験記録からわかっており、発毛剤の補助成分として考えて使用するという事でもいいのではないのかと思います。
特に脂漏性皮膚炎でAGAの方の場合、痒みが起こり爪などでひっかいてしまい新生毛が抜けてしまい治療の妨げになってしまう可能性が高いので、そのような方には特におすすめです。
私も脂漏性皮膚炎にはよく悩まされており、よくかきむしって抜け毛?切れ毛?がよく落ちる事が有り気になっていました。
痒みによるストレスもよくありませんし、ふけなどが目立つと周りから煙たがられてしまいがちになるので、そのような状態の方にお勧めの製品です。
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