- カルプロニウム塩化物5%を用いた1ヶ月の試験では、6例中4例に脱毛減少や発毛が見られた
- カルプロニウム塩化物5%を用いた3ヶ月~6ヶ月の試験では、5例中3例でやや有効との結果が報告されている。
- カルプロニウム塩化物10%を用いた試験では、4例中2例で脱毛の抑制及び軽度の発毛効果が示されている
- カルプロニウム塩化物1%に生薬などを添加した外用薬を用いた試験では、有効以上20%、やや有効以上60%であったという研究結果が出ている。
- カルプロニウム塩化物2%と上記の生薬とヒノキチオール等を添加した育毛剤を用いた試験では、男性の改善率26.7%、女性の改善率54.5%と言う研究結果が出ている
- 円形脱毛症
- カルプロニウム塩化物5%がプラセボと比べて有意な発毛効果が有る
- カルプロニウム塩化物とセラファチン内服との併用では、グリチルリチン内服と比べて優位に脱毛範囲が縮小した
ハツモールSPとは
会社URL
http://www.hatumoru.co.jp/index.html
ハツモールSPは、株式会社村田治照堂が製造販売している、第2類医薬品に分類されている発毛促進剤です。
創業が昭和10年12月14日、と歴史も長い老舗の会社です。
取り扱っている製品は、主に育毛剤やシャンプーなどのヘアケア商品や、眉毛専用育毛剤なども取り扱っています。
そして、代表取締役社長の名前が田村淳とお笑いコンビのロンドンブーツ1号2号の田村淳さんと同姓同名と言う所も個人的には少し親近感がわきました。
ハツモールSPと言うあまり聞かない製品ですが、日本皮膚科学会が出している男性型及び女性型脱毛症診療ガイドライン2017や円形脱毛症診療ガイドライン2017などでも行ってもよいと評価されている成分であるカルプロニウム塩化物を含んでいる製品ですので、なかなか期待ができるのではないのかと思います。
今回は、そんなハツモールSPを紹介していきます。
有効成分と副作用について
ハツモールSPの主成分であるカルプロニウム塩化物は、日本皮膚科学会が出している男性及び女性型脱毛症診療ガイドライン2017で、男性及の推奨度C1(行ってもよい)評価されており、理由としては、外用での有用性は、現段階では十分に実証されていないが、5%カルプロニウム塩化物は長年にわたり保険適応となっており、生薬との合剤を含むわが国での膨大な診療実績を考慮し、行ってもよいことにするとされています。
参考資料
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
また、ハツモールSPの主成分であるカルプロニウム塩化物は日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン2017でも推奨度C1(行ってもよい)と評価されており、理由としては、本邦においてカルプロニウム塩化物外用液はAA(再生不良性貧血)を適応症として保険収載されてる。
しかし,これらの臨床試験から,全頭型や汎発型において整容的に満足できる程度に毛髪が回復する結果は見いだされていない。
この事から、カルプロニウム塩化物の有益性は、現段階では十分に実証されていないがしかし、保険適応があることや本邦における膨大な診療実績により安全性が担保されていることも考慮し、単発型および多発型の症例に併用療法の一つとして行ってもよいとされています。
参考資料
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AA_GL2017.pdf
カルプロニウム塩化物
カルプロニウム塩化物には、血管拡張作用が有り頭皮に走っている毛細血管を拡張する事により血流を促進し髪の毛により多くの栄養を送る事により薄毛改善の効果が期待できるとされています。
カルプロニウム塩化物とミノキシジルの違いについて
薄毛治療についていろいろと調べている方でしたら疑問に思われる方多いと思われると思います、カルプロニウム塩化物とミノキシジルの違いについてですが、どちらも血管拡張作用が有り同じなのでは?と思われる方もおられると思いますが、カルプロニウム塩化物は、血管を拡張させる事で血流を促進させ、ミノキシジルは、細胞増殖因子を刺激し、血管自体を増殖させて血流を促すという違いが有り、カルプロニウム塩化物には血管自体を増やす作用は無い為、ミノキシジルよりも効果は低いと言われています。
ただその分副作用のリスクなども低い為、安全性としてはこちらの方が高いと言えます。
ジフェンヒドラミン塩酸塩
頭皮のかゆみをおさえ、頭皮を健康な状態に保ちます。
サリチル酸
サリチル酸は、鎮痛作用や殺菌作用といった働きが有り、育毛剤やシャンプーなどにも使用される事のある成分です。
添付文書
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00012305.pdf
パントテニルエーテル
パントテニルエーテルはビタミンB群の1つで、毛母細胞に活力を与えて髪の毛の成長を促進し、保湿効果や皮膚組織の活性化、皮膚の炎症を抑える作用やふけや痒みの軽減が期待できるとされています。
l-メントール
ℓ-メントールは、頭皮のかゆみをおさえ、清涼感をあたえます。
副作用について
ハツモールSPの副作用について紹介していきます。
皮膚関係
- 発疹
- 発赤
- 痒み
- はれ
- かぶれ
- 痛み
その他
- 全身性の発汗
- それに伴う寒気
- 震え
- 吐き気
- 頭痛
また次のような症状が持続又は増強が見られた場合には、使用を中止し、水又はぬるま湯で洗い流し、ハツモールSPの添付文書をもって、医師、薬剤師又は、登録販売者又はお客様相談室に相談してください。
頭皮
- 刺激痛
- 局所発汗
- 発熱
手(指先)
- 手荒れ
ハツモールSPに含まれているカルプロニウム塩化物は医薬成分ですが、カルプロニウム塩化物外用液5%の添付文書によると、副作用は、本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない為、発現頻度は不明である。とされており、副作用の発症率はあまり高くないようです。
皮膚疾患用剤であるサリチル酸も「本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。」と表記されている為、発症率はあまり高くないようです。
注意点
傷、湿疹あるいは炎症等のある頭皮や頭皮以外には使用しないでください。
参考資料
カルプロニウム塩化物
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00068916.pdf
サリチル酸
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00012305.pdf
添付文章
ハツモールSP
https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/J1401000265_01_A.pdf
効果について
カルプロニウム塩化物5%を用いた1ヶ月の試験では、6例中4例に脱毛減少や発毛が見られた
6名の男性被験者を対象としたカルプロニウム塩化物5%を用いた試験では、6例中4例に脱毛減少や発毛が見られたという試験結果が出ており、カルプロニウムを含まない偽薬では有効例がなかったとされており、有効と判断されました。
(観察期間は、1ヶ月間です。)
参考資料
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
カルプロニウム塩化物5%を用いた3ヶ月~6ヶ月の試験では、5例中3例でやや有効との結果が報告されている。
5名の男性被験者を対象とした観察期間3ヶ月~6カ月間の症例集積研究において5例中3例でやや有効との結果が報告されています。
参考資料
上に同じ
カルプロニウム塩化物10%を用いた試験では、4例中2例で脱毛の抑制及び軽度の発毛効果が示されている
カルプロニウム塩化物10%を用いた試験で、観察期間77日間~129日間の症例集積研究で、4 例中 2 例で脱毛の抑制及び軽度の発毛効果を示し,有効と判断されています。
参考資料
上に同じ
カルプロニウム塩化物1%に生薬などを添加した外用薬を用いた試験では、有効以上20%、やや有効以上60%であったという研究結果が出ている。
カルプロニウム塩化物1%にカシュウチンキ,チクセツニンジンチンキの生薬などを添加した外用薬を用いた、30 名の男性型脱毛症を対象とした観察期間3カ月の症例集積研究において、有効以上20%、やや有効以上60.0%であったとされており、なお本研究には女性患者も含まれているが、男女比の記載はないとされています。
参考資料
上に同じ
カルプロニウム塩化物2%と上記の生薬とヒノキチオール等を添加した育毛剤を用いた試験では、男性の改善率26.7%、女性の改善率54.5%と言う研究結果が出ている
カルプロニウム塩化物2%に上記の生薬とヒノキチオール等を添加した育毛剤を用いた、75 名の男性被験者及び11名の女性被験者を対象とした観察期間24週間(約6ヶ月)の症例集積研究において、改善率が男性 26.7%、女性 54.5%であったとされています。
参考資料
上に同じ
円形脱毛症
カルプロニウム塩化物5%がプラセボと比べて有意な発毛効果が有る
1960年代の1件のランダム化比較試験より、1~2カ月間の5%カルプロニウム塩化物外用が、プラセボと比較して有意な発毛効果があることを示す弱い根拠が見いだされているとされています。
参考資料
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AA_GL2017.pdf
カルプロニウム塩化物とセラファチン内服との併用では、グリチルリチン内服と比べて優位に脱毛範囲が縮小した
カルプロニウム塩化物とセファランチン内服との併用療法における1件の非ランダム化比較試験より、カルプロニウム塩化物外用との併用はグリチルリチン内服との併用に比べ有意に脱毛範囲が縮小することが報告されているとされています。
ハツモール・内服錠にはビタミンや血行促進作用のある成分や先ほど紹介したセラファチンも含まれており、ハツモールSPと相性のいい成分が含まれていますのでお勧めです。
参考資料
上に同じ
使用方法
ハツモールSPの使用方法は、1日2~3回、1回10~15プッシュ頭皮にスプレーしてマッサージを行ってください。
まとめ
今回は、ハツモールSPを紹介していきました。
血管拡張作用があると言うと、ミノキシジルを思い浮かべる方が多いと思いますが、カルプロニウム塩化物にもそのような効果が有るという事ですが効果はミノキシジルよりも低いとされているので、AGA治療では併用して使用したり、円形脱毛症にも効果が有ったというデータも有る事から円形脱毛症の治療に使用したりするのがいいのではないのかと思われます。
気になりましたら見てみてください。
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