デュマンとは!?
会社URL
https://www.intaspharma.com/
デュマンは、インタスファーマ社(Intas Pharmaceuticals Ltd)と言うインドのアフマだーバードにある製薬会社が製造している製品です。
インタスファーマ社は、2006年に設立された比較的新しいジェネリックを中心とした医薬品メーカーです。
インド国内のシェアは、5%以上を占めており、アメリカFDA(食品医薬品局)等の各国の薬品規制局から正式な認可を受けた研究施設を置く会社です。
インタスファーマ社製の製品でベルトリドと言うデュタステリド製品も出てはいますが含まれている成分や価格から見てもデュマンと変わらない事から、同一製品と思われます。
配合成分と副作用について
デュマンは、日本皮膚科学会が出している男性及び女性型脱毛症診療ガイドライン2017で男性の推奨度A(行うよう強く勧める)女性の推奨度D(行うべきではない)と評価されている主に、男性向けの成分であるデュタステリドを含んだ製品です。
デュタステリド
デュタステリドは元々、前立腺肥大症の治療薬で有るアボルブとして研究、開発されたもので、研究を進めていくうちに増毛効果が有るという事がわかり、AGA治療薬(男性型脱毛症)として使用される事となりました。
日本では、高い発毛効果が有ると認められている成分は、ミノキシジルとフィナステリドの2種類だけでしたが、2015年に新たにAGA治療薬としてザガーロ(デュタステリド)も加わりました。
AGAは、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンと還元酵素である5αリダクターゼが結びつくことで生成されるDHT(ジヒドロテストステロン)が主な原因とされております。
通常の男性ホルモンは体毛を濃くするのに対し、DHTは発毛を妨げ、髪の毛の成長を抑制する働きが有ります。
DHT大量に生成される事でヘアサイクルの成長期が短くなり、髪の毛が太く成長する前に抜けてしまったり、十分に育たずに細く短い毛が増える事で全体に薄毛が目立ってしまいます。
デュタステリドは、この還元酵素である5αリダクターゼの作用を阻害する事で、DHTの生成を抑制する効果が有る為、乱れてしまったヘアサイクルや頭皮環境を正常な状態に戻し、抜け毛の進行を防止してくれる効果が有ります。
デュタステリドは主に、5αリダクターゼのⅠ型とⅡ型に効果が有り、Ⅰ型は、側頭部や後頭部に多く、Ⅱ型は、前頭部や頭頂部に多く存在しています。
副作用について
デュマンの副作用について紹介していきたいと思います。
主に副作用に関係してくる成分は、医薬成分であるデュタステリドがあげられますので紹介していきたいと思います。
デュタステリドの副作用
- 性機能障害(勃起機能不全など)
- リビドー減退(性欲減退)
- 肝機能障害
- 抑うつ
などが有ります。
副作用の発症率
- 性機能障害(勃起機能不全など) 1%以上
- リビドー減退(性欲減退) 1%以上
- 肝機能障害 頻度不明
- 抑うつ 1%以下
です。
参考資料
https://gskpro.com/content/dam/global/hcpportal/ja_JP/products-info/zagallo/zagallo-if.pdf
デュタステリドを使用する際の注意点
デュタステリドの効果が実感できるまでには時間がかかる
デュタステリドは服用してから効果が実感できるまでに時間がかかりザガーロ カプセル 0.1mg・0.5mg インタビューフォームでは、投与開始後12週間(約3ヶ月)で改善が認められる場合もあるが、治療効果を評価するためには、通常6ヶ月間の治療が必要であるとされています。
また、本剤を6ヶ月以上投与しても男性型脱毛症の改善が見られない場合は投薬を中止する事とされており、6ヶ月以上投与する場合であっても定期的に効果を確認し、継続投与の必要性について検討する事とされています。
参考資料
https://gskpro.com/content/dam/global/hcpportal/ja_JP/products-info/zagallo/zagallo-if.pdf
デュタステリドの服用をやめると効果がなくなる
デュタステリドは服用をやめてしまうと効果が消失してしまうので注意が必要です。
使用できる人できない人
使用できる人:成人男性
使用できない人:未成年、女性、妊娠中の方
妊娠中の方
デュタステリドは、フィナステリド同様で、妊婦に投与するとDHT(ジヒドロテストステロン)の低下により男子胎の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼす恐れが有り、妊婦または妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性への投与は禁物であるとされています。
未成年の方(20歳未満)
国際臨床試験では、20歳以上の男性を対象に行われており。
20歳未満に対する安全性は確立していない為行うべきではないとされています。
内服薬を複数服用している方は肝臓に負担がかかる可能性が有る
これはデュタステリド内服薬にかかわらず全ての内服薬の服用者に言える事なのですが、内服薬は肝臓を通って代謝される為、一度に飲む量が増えれば増えるほど酵素が必要になり代謝が追い付かなくなり、肝臓に負担がかかる事になります。
その為、デュタステリド以外にも複数内服薬を服用されている方は注意が必要です。
内服薬ほどの効果は有りませんがデュタステリド外服薬も有りますので、肝機能が弱い方や数値が悪くて内服薬が使えない方にはこちらもお勧めです。
効果について
デュタステリド内服薬はフィナステリド内服薬よりも毛髪数の変化量が多かった
デュタステリド内服薬は、フィナステリド内服薬よりも毛髪数の変化量が多かったという事がわかっています。
概要は、20歳から50歳の男性型脱毛症患者を対象とした、国際共同試験及び国内臨床試験を実施し、脱毛状態はハルミトン・ノーウッド分類Ⅲvertex、Ⅳ、Ⅴ、上の画像のような状態の方を対象に行い、使用されたものは、デュタステリド内服薬、0.02mg、0.1mg、0.5mg、フィナステリド1mg及びプラセボ(偽薬)を使用し測定範囲は、頭頂部円内(直径2.54㎝円中)の毛髪数のベースラインからの変化において期間24週間(約6ヶ月)で検証されました。
試験結果は、
変化量
- プラセボ -4.9本
- デュタステリド0.02mg 17.1本
- デュタステリド0.1mg 63.0本
- デュタステリド0.5mg 89.6本
- フィナステリド1mg 56.5本
と言う結果となりました。
試験結果では、デュタステリド0.1mgは、フィナステリド1mgよりも高い数値となっており、0.5mgでは33.1本多くフィナステリドよりもデュタステリドの方が効果が優れているという事がわかります。
参考資料
https://gskpro.com/content/dam/global/hcpportal/ja_JP/products-info/zagallo/zagallo-if.pdf
デュタステリドは長期投与でも効果は表れた
デュタステリドは、52週間(約1年1ヶ月)の長期投与試験でも効果が有るという事がわかっている。
概要は、AGA患者(ハルミトン・ノーウッド分類Ⅲvertex、Ⅳ、Ⅴ)デュタステリド0.5mgを投与期間52週間(約1年1ヶ月)投与し安全性と有効性を検討した。
測定範囲は、頭頂部円内(直径2.54㎝円中)の毛髪数のベースラインからの変化量を見ました。
結果は、変化量68.1本で改善が示されており、デュタステリドは、長期投与でも効果が有るという事がわかっています。
この試験で起きた副作用は、16.7%で、主な副作用は、
- 勃起不全 10.8%
- リビドー減退 8.3%
- 射精障害 4.2%
との事でした。
参考資料
上の資料に同じ
デュタステリド2.5mgはフィナステリド5mgよりも効果が優れていた
デュタステリド2.5mgはフィナステリド5mgよりも効果が優れていたという事が試験からわかっております。
概要は、21歳~45歳の416人の男性を対象に、デュタステリド0.05、0.1、0.5、または、2.5mg、フィナステリド5mg、またはプラセボを24週間(約6ヶ月)毎日投与しました。
結果は、デュタステリドは、プラセボと比較して、標準領域の毛髪数を増加させ、デュタステリド2.5mgでは、12週(約3ヶ月)と24週(約6ヶ月)でフィナステリドよりも優れた結果を出したとされています。
評価方法は、専門家パネルの写真によるレビューと発毛の研究者による評価によるものです。
そして、頭皮と結成のジヒドロテストステロンレベルはデュタステリドの用量依存的に増加しましたとされています。
注意:試験では、デュタステリド2.5mgやフィナステリド5mgが使われていますがデュタステリドは0.5mgまで、フィナステリドは1mgまでと決まっている為、成分を過剰に取り入れる事は、危険ですのでご注意ください。
参考資料
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17110217/
どれくらいの薄毛の方にお勧めなのか?
AGAの方全てにお勧めです。
AGAは、巷でよく言われている生活習慣病や、皮脂などの毛穴の詰まり、などの事により起こるものではなく、ホルモンの病気です。
AGAとは、AndroGenetic Alopecia(アンドロジェネティック・アロペシア)の略で意味は、AndroGenetic(男性ホルモンによる)Alopecia(脱毛症)と言う意味です。
その為、薬を使いヘアサイクルを正常に戻しつつミノキシジル外用薬で発毛を促していくという方法が今現在では有効な方法とされています。
M字はげには効果は有るのか?
デュマンは、Ⅰ型とⅡ型の5αリダクターゼに効果が有り、Ⅱ型は、前頭部と頭頂部に効果が有る為M字はげに効果が有ると言えます。
M字部分は、元々毛細血管が少ない為、髪の毛に栄養が行きわたりにくい部位とされており、薄毛になりやすく治療も難しい部位とされています。
その為、効果を実感しやすくするには、ミノキシジル外用薬と併用して使用する事をお勧めします。
ミノキシジル外用薬も5%の物よりかは10%以上の物の方が効果が現れやすいのでM字部分には10%以上の物がおススメです。
私のおすすめとしては、フォリックスFR15とFR16です。
違いとしては、ミノキシジル濃度が15%か16%という事と含まれている補助成分の違いFR15はやいようやくに良く採用されているローションタイプなのに対して、FR16はクリームタイプとなっています。
デュタスとミノタブを併用して使用する事は効果的か?
よくフィナステリドとミノタブの組み合わせが最強とかデュタステリドとミノタブの組み合わせが最強だという話をよく聞きますが、私はミノタブの使用は推奨しません。
理由としては、体毛が濃くなるばかりで髪の毛が濃くならないという事と日本皮膚科学会が出している男性型及び女性型脱毛症ガイドライン2017で男女共に推奨度D(行うべきではない)とされています。
実際に私も効果が絶大という事を聞いて使用していた時が有ったのですが、ひげや体毛は濃くはなるのですが肝心の髪の毛に効果が現れているという感じはありませんでした。
男性型及び女性型脱毛症ガイドラインでも、ミノキシジルは降圧剤として開発されたが本国では認可されていないとされており、また、男性型脱毛症に対する治療薬としても認可されている国は無く、それにもかかわらず全身の多毛症を起こす副作用が有る事を根拠に医師が容易に処方したり一般人が個人輸入で入手して服用する事が有るので問題視されているとされています。
効果としても多毛症以外のミノキシジル内服薬の副作用の報告は少なく、内服用製剤の添付文書中の市販後調査欄に、胸痛,心拍数増加,動悸,息切れ,呼吸困難,うっ血 性心不全,むくみや体重増加などの重大な心血管系障 害が生じるとの記載があるとされておりこの事から、ミノキシジル内服療法は、利益と危険性が十分に検証されていない為、男性型脱毛症及び女性型脱毛症ともに行わないよう強く勧めるとされています。
私も服用していて同じ意見なのと、副作用と言うわけではないのですが、私はアトピー性皮膚炎持ちでミノタブ服用時ミノタブの血管拡張効果により血行が良くなり夜寝ているときにかゆみが止まらず主に関節部分をかきむしってしまいました。
その為、同じようなアトピー性皮膚炎持ちの方はミノタブは特に向かないと思われます。
ミノタブは、いくつかのAGAクリニックでは処方されているようですが、処方されていないクリニックも有り、医師の方により賛否両論分かれておりますが。
どの国でも認可されておらず日本皮膚科学会も使用を認めていない為、私はミノタブの使用は使用しない方がいいのではないのかと思います。
参考資料
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
まとめ
今回は、デュマンについて紹介してきました。
比較的価格が安価な為、長期間続けていくのにも負担が少なくていいのではないのかと思いました。
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